仕事で悩まないために

【ひろゆき も おすすめ?】「ブルシットジョブ」あらすじを紹介

1.経済はナンセンスを生産する巨大エンジンと化している

『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(デヴィッド・グレーバー , 酒井 隆史他訳 2020/7/30)という本があります。

「世界中の経済はナンセンスを生産する巨大エンジンと化している。」

上はこの本で一番心に響いたフレーズです。

いまだに人気があり、数千円もする本なので図書館で借りようとする人が多いです。私も図書館でリクエストしてから借りるのに数か月かかりました。
本日はこの本を読んで私が感じた、そして皆さんも会社の仕事に感じているモヤモヤした気持ちの共通点に注目していきます。

今日の内容はこのベストセラー本に加えて、あわせて読むと理解が深まる『複雑化の教育論 (越境する教育)』(内田 樹 著 2022/1/28)も参考にしました。

2.会社は全社一丸となって利益を最大にすることが目的ではない?

日ごろ感じていたことは2つあります。

ひとつは、自分の仕事はあまり会社の利益に役に立っていないのではないか?と言うことと、利益に貢献していない人が会社にたくさんいるのではないか、ということでした。

もうひとつは会社の利益を最大化するのが会社の目的で、そのために社員が一丸となるのが理想だと考えていました。

しかし、この2冊の本を読んでみて、会社というものはそう単純なものではないようでした。

3.ブルシットジョブ=どうでもいい仕事の5つのタイプ

『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』では、どうでもいい仕事は5つに分類されています。

1)取り巻きの仕事

2)脅し屋の仕事

3)尻ぬぐいの仕事

4)書類穴埋めの仕事

5)タスクマスターの仕事

4.ブルシットジョブ=どうでもいい仕事の3つに注目

上の5つから3つに絞って解説していきます。

どうでもいい仕事1)取り巻き仕事

偉い人の世話を焼いたり、彼らの気持ちをよくさせるためだけの仕事です。社長が会社玄関前にハイヤーを乗り付けた時に玄関前で出迎えている人たちを想像するとわかりやすいです。

また社長の指示を忠実に守るために、ムリ、ムダ、うまく行かないと思っていながら、進言もせずムダな仕事やプロジェクトをそのまま通そうとする人たちもそうです。

どうでもいい仕事2)書類事務仕事

2度と読まないような書類でもそれをチェックする人がいるからきちんと整えなければいけない書類は実に多いです。

書類作成にかかる仕事は案外と時間がかかります。そんな書類なのに上司に表現や形式についてムダなツッコミを入れられて、さらに修正時間がかかってしまうと徒労感は増すばかりです。

最近は書類仕事の合間に実のある仕事をしている感覚です。

どうでもいい仕事3)雑用

しなくてもいい掃除や整理整頓などが代表例です。

掃除や整理は大事ですが、行き過ぎると掃除や整理整頓のルールを作ってきちんと守っているかを管理する担当者や部署ができたりして面倒くささが増してきています。

最近はルールが増加、厳格化、評価の点数化でさらに面倒くさいことになっています。

4.どうでもよくない仕事とは?

エッセンシャルワーカー代表例でしょう。医療、学校、農業、スーパーマーケットなど生活に必要不可欠なサービスを提供したり、モノを作ったりする「現場」の仕事になります。

しかし、それらの業種の中でも「どうでもいい仕事」に分類される仕事をやってる人たちも大勢います。

5.どうでもいい仕事の本質

世の中はエッセンシャルワークだけでは回らないのが事実です。

自分にはどうでもいい仕事と思えても、その仕事を面白くてやりがいがあると感じて取り組んでいる人たちもいます。
自分が生活をしていくため、家族を養っていくお金を得るための大切な仕事とがんばっている人たちも大勢います。

つまり「どうでもいい仕事」と言うのは他人が決めるのではありません。働く本人が自分の仕事をどう判断するかということなのです。

ですから、他人がどうこうではなく自分の価値観が大事であり、自分なりの価値観をもとに考えていくことが大切です。
これを考えるときに大切なのが、
他人の言葉をうのみにしない、他人と比較しないことです。自分は自分、そして上には上がいる、上を考えると本当にきりがないのです。

6.くだらない仕事は出世に必要?

くだらない仕事こそ出世に必要と言われるとショックですよね。

ここからは『複雑化の教育論 (越境する教育)』の中で特に面白かった箇所を元にしています。

例えば農業を考えてみると、生産に関わらない人間が一番の富を得ています。
とある国、とある年代に農作物をを作る社会に3つのタイプの人たちがいるとします。

1)農作業に従事している人たち

2)農作業を管理監督する人たち

3)監督者たちを雇っている親方たち

この中で農作業従事者たちが直接農作業に関わっていて本質的な仕事をしている人たち、言い換えると最も有意義な仕事をしているエッセンシャルワーカーです。ですがこの三者の中で最も実入りが少なく、立場が弱い人たちです。

次に管理監督者を見ると、彼らは農作業に直接関わりません。農作物を作るために鋤や鍬を握ることはありません。代わりに彼らが持っているのは農作業従事者たちを働かせるための帳簿です。しかし彼らは農作業従事者たちよりも実入りが良かったりします。農業という観点から見ると、農作業従事者に仕事をさせることが仕事です。農作業と言う有益な仕事はしていませんが、親方たちと直性仕事をすることで給料が高くなるわけです。

しかし最も裕福なのが畑を所有する親方です。
彼らはもはや畑に行くことも農作業者と直接会うこともなく、仕事は監督者を雇って、効率よく農作業者を働かせて収穫を大きくすることです。

長くなりましたが、実作業とは本質的に関わらないが経営者により近いところで仕事をすれば良い給料が支払われ、より出世すると言うことです。

7. 管理者や親方の大切な役割

実は管理監督者や親方には大切な役割があります。
管理監督者は農作業を効率よくして収穫をより多くするという役割、親方は農場を開拓したり良い種、肥料、道具を購入するためのお金を農場経営で稼ぐのが役割です、もちろん農作業者や管理者に賃金を払う役割もあります。

一言でいえば、親方の仕事は「農場を立てて仕事を作ること」、管理者の仕事は「農場を効率的に回していくこと」になります。

8. 最後に

自分が会社の利益創出に役に立つ仕事をしていない、社会の役に立っていないと思っている人も、まず自分の仕事とは何か?仕事への自分の思いを整理してみることが大切です。

8. リンク集

【パレートの法則とは】「80対20の法則 本」要約 わかりやすく解説 (全3回パート2)

【パレートの法則とは】「80対20の法則 本」要約 わかりやすく解説 (全3回パート3)